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華僑と中国の人々(6)  虎印(タイガー)の塗り薬といえば?

 

 

 

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 香港、シンガポールをはじめ東南アジアを中心に有名な薬といえば虎印(タイガー)の塗り薬でしょう。日本でも見ますよね。

 古くから南洋の地元民や華僑の間では、「何にでも効く薬」「特にキズにはいい」と言われてきました。傷でも歯痛でも肩こりでも精力づけにも向いているとも言われています。私は肩こりや腰痛、筋肉痛になったときによく使っていました。昔、私が陸上部に所属していた時、本番前に足にタイガーバームを塗ってその上からスプレータイプのエアサロンパスをかけていました。だんだん足が熱く感じてきて、発奮材料に使ってもいました。良くない使い方だと思うのでマネしないでくださいね(笑)

 この薬を売り出したのは製薬王の故文虎(コ ブンコ)氏という人物、彼はビルマのラングーン(現在のミャンマーのヤンゴン)で1883年に生まれた華僑二世です。1908年、父・子欽(シキン)の後を追って薬剤師となり、永安堂薬局を創立しました。

 医学と薬学を学んだ彼は、漢方の処方に、古くからビルマに伝わる薬製法をアレンジして、萬金油、八卦丹などを売り出した。中でも「何にでも効く」と言われたのは萬金油で、東南アジア、中国大陸で売れに売れました。このため中国に十数か所、ペナン、バンコク、香港などにも工場を持つほどでした。

 「どんな世界不況の時でも、売薬業だけは不況知らずだ。ほかの業界には暴落がつきものだ」というのが信念でした。強い精神力を持ち、平衡感覚のある彼は、儲け主義には毒されませんでした。かつて、親しい人からゴム業界に手を染めるよう熱心にすすめられましたが、「ゴムは一個人が独占してしまうべきものではない。」と断っています。

 また彼は新聞社も創りましたが、その営業利益の四分の一以上を慈善・公益事業に寄付することをモットーにし、社会事業や教育事業、華僑社会への利益還元を生きがいにしていました。イギリス政府やオランダ政府から勲章も送られています。

 故文虎がシンガポールにのこしたものにタイガーバームガーデンと翡翠感があります。

 タイガーバームガーデンは中国の伝説などに登場してくる人物の人形・石像をおいた公園で1931年に建てられました。故一族の系列会社が管理して公開されていましたが、開設後50年で維持が大変と政府に寄付されました。

 翡翠館もタイガーバームガーデンと同じように寄付されました。

 そのほか、数か所の医院や孤児院、養老院、精神病院、各種衛生施設、各種救済事業から名勝古跡の保存、とくに東南アジアの華僑学校を援助していたそうです。

  どこぞやで「自分の得たお金の1割は寄付しましょう。」ということを聞いたことがありますがそれに相通じるものがあるのかも.....

 

 さて、日本でのタイガーバームは?ってAIさんに聞いてみると、

2015年に販売停止になったのですが、2019年には販売を再開したそうです。しかし、2020年に入るとコロナの影響で需要と供給のバランスを崩して販売の停止や再開を繰り返しているそうです。

 

 コロナもだいぶ収束していき、規制も緩和されてきたので、一度、シンガポールへ行ってみたいものです。