私たち、「実家」、「いなか」、「故郷」って言葉をつかうことって多いかと思います。そういう私も、いまは愛知県に住んでますが、出身は大阪で、愛知県に10年以上住んでいても、大阪っていうのは懐かしく感じますよね。いまはすごく便利な世の中になりTVerやradikoでテレビやラジオのローカル番組を見たり聴いたりできるようになったのは大変うれしい限りです(笑)
話は変わって、
華僑の生活の底にいつも流れているのが、
「ここはよその国だ」
という考えです。すべてがここに根っこがあります。なにか事が起こっても国への保護の要求はできないし、自分もしくは仲間で守らなければなりません。
日本人は選挙権もあるし、政治に首を突っ込むのも自由だということで、本業よりも他のことに心が動き、精力、時間を費やすことも多いです。ところが、華僑の人たちは、
「私たちは、商売の事しか考えることができません。」
と言います。他のことに進めないというハンディを逆に利用する中国人独特の楽天性と勤勉性とが巧みにミックスしています。プロに徹する下地がここにあります。なにものにもまぎれず、商いの道に没頭できます。仕事以外に趣味のないような顔をした経営者が多く、仕事で外を歩く以外は、お店をぐるぐる廻っています。”ぐるぐる”というのは2件以上の店を方々に持つ人が少なくないからです。主人が店の奥や店先を往復して目を光らせ、女主人はレジに陣取っているので、従業員たちも神経を張りつめてお客さんよりも主人の方を気にしています。そこでは、従業員による不正事件など起こりようもありません。
また華僑の人たちは、子どもが中学を卒業するころになると、わが子を呼んで静かにさとします。
「おまえはずっと日本にいるつもりか?」
そうだと答えたら、自分たちの置かれている立場をよく分析してみます。料理人になるのなら高校までいけばよい。大学を出ると、料理をつくったりするのは本人が物足りなくなるとみています。大学へ進学するなら、専攻課目を生かした道へ進むのが理想的なのです。
昔の話になりますが、官庁や1次産業ではあまり外国人を採用したがらないので、工学部などを卒業しても就職できないので宝の持ち腐れになってしまいます。経済学部や商学部なども同じで、自分で貿易業を経営するにしても、大学へ進学するよりは、どこか華僑の貿易会社に勤めて仕事を覚え、東南アジアやアメリカなどの華僑とコネをつけておいた方がいいです。となると、医者か薬剤師になるのがいちばんわりが良いことになります。これは免許があれば開業できます。薬局を持つことができますし、他の職業よりもはるかに収入の増大がはかりやすいです。そのあたりの事情を子どもに納得させる親の心情は複雑なものに違いなかったでしょう。
進むべき道を制限されている華僑の、商売に徹するプロ根性。肝心の商売をおろそかにしての売名などは実にむなしいものです。ほんとうの商売人は名より実を取るものです。
昔の人の考え方っていう人もいるかもしれませんが、「二兎追うものは一兎も得ず」ということわざにもあるように先ずは1つ確立したものは必要かなと考える次第です。
いかがでしたか?
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
感謝感謝