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華僑と中国の人々(21) 情報交換は後出し?

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 「現代は情報化時代だ」確かにそうではありますが、この言葉、かなり昔から使われているようにも思います。

 この情報、特に情報交換に注目、評価してきたのが華僑です。交換すべき情報もたいへんなもので、時には官庁や大企業などが多くの人数やお金をかけて行っている情報収集など、足下にも及ばないほどの情報をつかんでいることがあります。

 彼らがせっせと会合に出席し、つとめていろいろな集まりをもつのは、人間関係を強めるためということと、もうひとつ肝心なのが情報交換です。

「食好相報(スーハオシアンパオ)」という言葉があります。「おいしいもの、変わったことは独り占めにしないで、友達にも教えてあげよう。」というけっこうな格言であります。とはいうものの、こと商談となりましたら、やたらに自分の情報をふりまいてしまうような人間はかえって馬鹿にされてしまいます。

 華僑の間では「談は賑やかでも、実の少ない方が怜悧者(利口な人)」とされています。場を楽しくさせる社交性は対人関係の潤滑油として、訓練する必要があることは言うまでもありません。しかし、会話の中でほんのちょっとでも情報のヒントになるようなことを口走ろうものなら、あとは沈黙を守り続けたとしても”軽佻浮薄(ケイチョウフハク・言動が軽く浮ついている様)”の烙印を押されます。情報にきわめて敏感な彼らです。見逃すはずがありません。ちょっと口がすべった、では済まされないのです。

 言葉の数ではなく、内容なのです。商売の秘密を何の交換条件もなく口にする、などというのはもってのほか、情報交換をするにしても、自分の方から先に進んで出すことさえ、よほどの小者とされます。情報交換は常に後出しにすべきなのです。

「日本人はラーメンが好きだし、なんでも簡単にできるものが好きだ。」

昭和の初めからしょうゆ味で”日本食”の地位を奪ってきたのが流しのラーメンです。これも華僑が日本人向けに発明したらしく、本場の中国でも見ることができない代物です。さて、台湾には昔から、細い乾麵にお湯をかけ、蓋をしてしばらく置いた後で食べる烏糸麺(ウースーメン)というのがあります。これと香港の蛋麺(ピーメン)にヒントを得て、あのインスタントラーメンを開発したのが、日清食品の安藤百福氏です。ちなみに安藤百福氏は台湾出身だそうです。このインスタントラーメンが今なお売れ続けているのは周知のとおりです。あとで悔しがったのが台湾出身の方たちだそうです。

「オレもあれを何とかすれば、と前から考えてたんだ!」

よく聞く話ですよね(笑)。彼らはあちこちの会合でこれに近い考えをしゃべりあっていたのだろうが、だれもそれをものにできませんでした。

 ふとした会話の中にこそ、すばらしい情報がひそんでいます。

 いまはインターネットの発達によって、いろいろな情報が手に入りやすくなってきていますが、本当においしい情報、ためになる情報は人から教えてもらうのがいちばんですよね。科学が発達しても、やっぱり人ですよね(笑)

 

いかがでしたでしょうか?

今日もお付き合いいただきありがとうございました。

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