みなさん、こんにちは。
きょうもYANO-T's blogへお越し頂きありがとうございます。
感謝感謝。
今回は「華僑と中国の人々シリーズ」の第28弾をお届けします。
是非、最後までお付き合いください。
このお話は、
ひと昔前の、そして芸事の話になりますが..........
踊り子たちに芸能記者あたりが「好きなことは?」と尋ねると、決まって、
「踊って、食べて、読んで」
と、答えたものでした。若くてよくお腹のすくショーダンサーは、根っからの踊り好きです。それが時には踊りに迫力がなく、楽屋で寝そべって、お菓子をボリボリ、漫画でも見ているだけ、と嘆く人もおられます。一方、芸能人から言わせると、
「お客のマナーも悪くなった。しゃべりながら、みかんの皮をむいたり、チョコレートをほおばっている。」
しかし、香港やシンガポール、マレーシアあたりの小さな民族芝居劇場などになりますと、そんな生やさしいものではありません。劇場は、欲求不満解消の場です。
指定の席に着くと、座席の背にペタンと切符の半券をノリではられます。席が満杯になると、補助いすといえば聞こえはいいですが、ビール箱の兄貴のようなものを出してきて、それに座らされます。さあ、これからは水を得た魚のようなものです。物売りが来ます。スイカの大きな切り身に塩を添えてきます。これにかぶりつき、隣と大声で談笑し、ときたま奇声を発します。舞台に熱中している人は、役者とともに泣き、怒り、喜ぶ、拍手をし、罵声を浴びせ、その合いの手のように乾肉をかじっています。夢中になってしまえば舞台へも上がっていきます。
これでいいのです。これでなくては、本当の大衆の憩いの場とは言えません。すました映画館の休憩時間にある、あの何とも言いようのない白けた雰囲気ほど悲しいものはありえません。
大阪の劇場では、歌舞伎クラスでも、「幕の内弁当を食べながら」のお客が絶えないので、演技する方は、
「いちばんやりづらい。ゲラゲラ笑うし、笑う時間が長い。」
と、もっともらしく口をすぼめて言います。
冗談じゃないヨ。親類の葬式に出てるわけじゃあるまいし、自分が見たいようにして時間を過ごせばいいのです。精神修行に行くのでもありません。教養向上や批評文を書くために入場料を支払っているわけでもありません。
思いきり笑い、思いきり泣き、そしてスカッとして、その劇場から出ることができれば、それでいいんです。
演出がどうの、演技がどうしたなどという評論家と称する方々の言葉に惑わされ、思うように笑えもしない、などというのは、華僑の人たちに言わせれば、まさに愚の骨頂ということになるのでしょう。
入場料を払うのは、ほかならぬあなた自身です。少なくともその分だけは笑って、モトをとるという華僑一流の発想も、あながちムチャクチャなことでないですね。
時代背景が合わず、しっくりこなかったかもしれませんが、雰囲気だけでも味わっていただければ嬉しいです。
今日も最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。
感謝感謝。
それでは、また次回、
YANO-T's blogで
お会いしましょう!!